主要登場人物紹介 |
(最終更新日:2007年1月3日・第二十八話終了時点)
野球部二年生
●高梨内記 背番号1。本編の主人公。球速は時速百四十キロを記録する速球投手。細かなことは気にしないふてぶてしい性格の持ち主だが、三年の引退に伴って主将に就任すると、チーム全体に細かく目を行き届かせて、なんとか甲子園にたどり着けるだけのチームに育てようと苦心している。
一年の秋には女子ソフトボール部とグラウンドの使用権を争った際には頭に血が上り、ソフト部員を打席に立たせて速球で撫で切りに三振にうちとるという熱い一面も持つ。もっともソフト部よりも本人がその一件での大人げの無さをいまでも気にしている。中学時代に比べ、打撃の成績がひどい(打率一割台)のがひそかな悩み。
●市川秀 背番号2。高梨と中学時代からバッテリーを組む。入部当初は内野の練習をさせられるなど苦心したが、ようやく捕手としてレギュラーを確保。しかし石毛や上坂など、ライバルが多く、いつ控えに回るかわからない。IDの訓練と称して女子と話をしてデータ収集を行うのが趣味。もっとも、根っからのナンパではなく、そういうポーズをとることで格好悪い(と思っている)猛練習をごまかしている節がある。
市川と高梨がそれぞれボケとツッコミ役を演じることで大栄高野球部はうまく回っているという説も。
●榎本孝明 背番号3。一年の秋からレギュラーを張っていた経験もあり、打線の主軸。もともと打撃しか期待されていなかったが安定した守備をみせる。
●大谷郁治 背番号4。中学時代は空手をやっており、本格的な野球は高校に入ってから。そのためもあり、三年の引退によってようやく脚光を浴びた。経験不足もあって守備面では高梨にかなり辛い評価を受けている。もともと打撃では光るものを持っているのだが、まだ試合ではそれを発揮しきれていない。あだ名は『ピカチュウ』。
●岸野富和 背番号5。大谷同様、本格的な野球は高校から。中学は陸上部長距離で、短距離はさほど早くない。中学当時から老け顔で、ついたあだ名が『若年寄』。おとなしく、目立たない性格。
●横山良昭 背番号6。一年の早い段階からレギュラー候補として名があがっていたにも関わらず、あまり伸びていない。
●中川智朗 背番号7。横山同様、期待されたほどには成長の跡が見られず、評価があがらない。あだ名『トモロー』
●樋口哮太郎 背番号8。入部時から監督の絶大な期待を背負ってきた。チャンスに弱いと言われ続けているが、それでも打率はチーム屈指で、守備も堅実。物静かで細面の好男子で、校内の女子の人気もまた絶大なのだが、この手のタイプにありがちなように、本人は幼なじみでもあるマネージャの樫尾以外は眼中にない。一年の文化祭では女装させられたが、あまりの美人ぶりに周囲が笑えなかったという逸話を持つ。一部ではなぜかちゃん付けになる。
●越川悦治 背番号9。チーム随一の俊足であり、同時にライトの守備職人。公式戦では一年間の公式戦でライトゴロを通算三つも奪う果敢な守備でピッチャーをもり立てる。基本的にお調子者の一人。樋口の女装に執念を燃やしてみたり。
●石毛敦 背番号11。キャッチャーの控え。明るく強気な『動』の市川とは対照的に『静』の印象が強い。バッティングでは市川に一歩後れをとるのと性格面がわざわいして控えに甘んじるがねばり強く、逆境にもめげない。樋口の彼女である樫尾に告白して玉砕した痛い過去あり。
野球部一年生
●河野伸一 背番号10。本格的アンダースローで打者を翻弄し、一年生にして夏の地区予選は当初先発を務めた。秋季大会中に父親を事故で亡くしている。もともと鼻っ柱の強い性格であることもあって、今後は野球部の現状に不満を見せる可能性もある。
●上坂太一 背番号12。キャッチャーの控え。いかにもな堅太りの体格で、打撃では長打が期待される。市川と石毛を抜いてレギュラーを目指す。力強い太い眉毛の持ち主。クラスメイトには『たいっちゃん』と親しまれている。
●小林真太郎 背番号13。強肩の持ち主で、安定感のない中川とレフトのレギュラーをめぐって争っている。『しんたろ』(語尾をのばさないのが特徴)でおおむね個人が特定される。
●新城近衛 背番号14。大栄高三年の新城菜織は女子バレー部の『魔王』と恐れられる有名人。本人は無口な他は姉とはあまり似ていない、ということになっているが、腹の底ではなにを考えているかは謎。サードの控え。あだ名は『小魔王』(ただし、本人の前では誰も使わない)。
●葉田勉 背番号15。副主将。ID野球の信奉者である。いかにもな黒縁メガネがトレードマーク。市川の「口だけID」とは異なって実際に勉強も良くできて、成績は学年十番以内をキープ。絵に描いたような堅物。ショートの控え。
●柴村優 背番号16。ぼんやりとした見かけにだまされるが、身体能力の高さではチーム有数であり、見た目と相まってなにかと目立つ存在。打撃でも守備でも器用にこなし、打撃投手なども務めたりすることがある。天体観測をしていたり、ギターを弾いたり、クッキーを焼いたりと趣味は多彩で、人当たりが柔らかいので部内にとどまらずクラスでも人気者。女装もこなす。クラスでは『ぬーぼー』と呼ばれている。
●児島大和 背番号・現在なし。チームでは貴重な左打者。
●星野康治 背番号・現在なし。サードの控え。岸野が一皮むけなければ出番が回ってくる可能性もあるが、本人もいまいちアピールできるポイントをもたないのが辛いところ。
●浅野琢己 背番号・現在なし。俊足でならすセンターの控え。相手が樋口なので当分出番はなさそうだが、本人は前向き。
●岡村雄志 背番号・現在なし。ライトの控え。越川が相手では守備面では勝負にならず。打撃に活路を見いだそうとしているところ。
女子マネージャ
●綾瀬七菜 二年。マネージャ。チームの裏の実力者であるところは部員であれば誰しも認める辣腕ぶり。一介のマネージャでありながら地区内のチーム事情に通じ、必要とあれば練習試合の段取りを完璧にこなす。スコアブックや練習データの管理もそつなくこなす。
明るくさっぱりした性格でチームの誰からも好かれているが、惚れた腫れたの話が全く出ないのは、その手の機微が恐ろしいほど通じない高梨の近くにいることが多いせいか。
本人も中学時代にはソフトボール部に所属していたこともあり、プレイヤーとしての立場に時折懐かしさと羨望を感じることがあるらしい。
●樫尾怜亜 二年。一年の途中でマネージャになった。樋口とは幼なじみの関係で恋人同士。メガネをかけ、引っ込み思案な性格もあってか見た目はいまいちぱっとせず、そのことで本人も樋口に引け目を感じているが、樋口当人は全く意に介していない。
真面目な性格なので仕事はきちんとこなすが、野球のルールそのものには詳しくないので、雑用に回ることが多い。
●矢沢郁 一年生。マネージャ。高梨や市川と同じ中学だった。高梨達の練習への取り組みが中学時代と見違えるほど真剣であることに驚く。仕事の手際はそれなりという程度だが、小柄ながら元気いっぱいにグラウンドの周りをぱたぱたと走り回っている姿は好感をもって見られている。
その他
●崎辺紫月 一年生。背番号・現在なし。女子ながら、選手扱いを希望して入部してきた。試合に出られないことを承知の上で、高梨の元でピッチャーとしての練習に日々励んでいる。高梨と同じ左腕で、投球フォームは高梨とそっくり。いつも緊張して身体を強ばらせているような雰囲気がある。
●志摩正一 野球部の監督。時折、やる気の有無を疑わざるを得ない迷采配をみせる。とらえどころの無い監督だと高梨は思っているが、それは志摩のほうも高梨に対して同じ感想を持っているかも知れない。チームの裁量のかなりを主将に委ねる傾向がある。高梨達の進級と同時に退任。新監督は未定。
●依岡紗智子 二年生。女子ソフトボール部主将。高梨のクラスメイト。いかにも体育会系の立ち振る舞いで、密かに女子には人気。ソフト部の一年生部員の質の低下を嘆き、かつては綾瀬や崎辺を引き抜こうと画策することも。
●小山田美紀 女子応援団(チアリーダー)主将。掛け値なしの美少女。一年の秋、一時高梨と交際らしきものをしていたことがある。その時は高梨に「野球の邪魔になる」と振られる格好になった筈なのだが、本人はまったく悪びれることなく高梨の元に表れる。「簡単に自分になびくような男はタイプじゃない」ということなのだが、高梨は恐ろしくて真意をただせない。ある意味、天然系の魔性の女。
●高梨隼児 高梨内記の二歳下の弟。中学野球では兄以上に名の知られたスラッガー。この度、強豪の井町南高への進学が決定した。