2005年2月18日
神戸空港開港の1年前に「新しい神戸をつくる会が声明」
 新しい神戸をつくる会は神戸空港開港1年前の2月16日、神戸市長に対して公開質問状を兼ねた声明を発表しました。内容は財政問題、空域調整、海洋環境への影響そして3空港分担問題など、今だ未解明未解決な課題について当局説明を求める内容になっています。開港1年前になっても多くの市民が神戸空港に反対の声を上げています。この大きな原因は、当局の説明責任が十分に果たされていないことと、この事業の成否に誰が責任を取るのかが不鮮明だからです。特に、住民投票を求める30万人を超える市民の声を市長と与党会派が踏みにじってしまったことが、すべての原因です。

神戸市長 矢田立郎 様                                                                   新しい神戸をつくる市民の会
                   中田 作成
   神戸空港開港1年前に際しての声明

 神戸空港開港(2006年2月16日予定)まで1年を迎えた今日、市の「神戸空港ニュース」No.27の新聞折り込み配布も行なわれましたが、市民として率直に喜べないのは残念です。
 神戸空港には、着工前から、近畿圏3空港のあり方、需要予測、財政計画、環境問題、海上交通への影響、空域管制など多岐にわたる未解決課題が指摘され、開港1年前の現在においても、それら課題を引きずり続けていると言わなければなりません。
 
 公共事業の手続きの中で、環境アセスメントおよび行政評価は事業の適正牲を検証する重要な手続きであるはずです。しかし、空港のアセスメントで「環境影響は軽微」とされながらも、空港島東側海域における水環境の急速な悪化など顕著な環境悪化が生じており、アセスメントの杜撰さを如実に示しております。
 昨年行なわれた行政評価にしても、空港島の造成費等を除外した費用対効果が算出されるなど、事業全休を見込んだ公正かつ客観的に妥当な評価とは到底なり得ていません。
 
 とりわけ、神戸空港の諸課題の中で、現時点で危惧されるのは財政計画と空域管制だと考えられます。空港の財源調達の大きな部分は起債に依存し、その起債償還は空港島の土地処分を見込んでいましたが、ターミナルビル用地や駐車場用地などに見られるように、当初の財政計画(1998年)の難航は歴然としており、財政破綻を来していると申しても過言ではありません。財政計画の見直しこそ急務だと考えられます。
 
 加えて、現在でも関空・伊丹の2空港だけでも、窮屈な空域状況であるにもかかわらず、神戸空港が加わり、半径25km圏内に3空港(八尾を加えると4空港)が併存することによる空域の過密・輻輳状況が加速され、管制業務の複雑化が憂慮されます。シミュレーション・アンケート(昨年5月)における現場管制官の声が何よりもそれを物語っています。目下、国の作業が鋭意進められていますが、空域管制は国の専管事項ではあっても、設置管理者として安全性の確保については重大な責任を負わされているというべきです。

 神戸空港が多くの未解決課題をかかえていることが明らかである以上、事業の進捗と諸課題の解決とは別個のレベルの問題であり、事業が進捗したからといって課題が消滅するものではありません。現状は、未解決課題を先送りにしているだけで、本当の問題はこれからだといわねばなりません。

 「空港ニュース」は、行政が発行するものである以上、単なる一方的なPRであってはならず、空港事業のかかえる問題点をも市民に十分周知する責務があるはずです。特に、財政計画などの「負の課題」は、ただでさえ、危機状況にある市の財政状況と直結するだけに、市民に逐次知らせなければ、無責任のそしりを免れません。
 空港間題にいまだ疑問を持つ市民も少なくないことを、おごることなく真摯に認識し、工事を凍結し、諸課題の再検証および市民への説明責任を果たすべきです。
 私たちも、住民自治の立場から、今後も沈黙することなく、山積する課題を監視・検証し続けることを表明します。
 以上、開港1年前に当たって、当面の声明とします(本声明に対する回答を3月2日ま
でにお願いします)。

2005年2月10日
央区で平和
を求める集会続々
 非核神戸方式30周年集会や憲法集会の取り組み進む

 今年は日本の敗戦60周年、阪神淡路大震災から10年、そして非核神戸方式成立から30周年にあたる節目の年です。現在、イラクへの自衛隊派遣で平和憲法が大きく脅かされ、さらには国民投票法案など9条をはじめとする明文改憲の動きが強まっています。また国民保護法にもとづく保護計画作成など、自治体にまで戦争の影が忍び寄っています。そして、憲法改悪国民投票が2年後に予想されることから、今年一年が勝負です。
 中央区でも3月19日に非核神戸方式30周年集会が翌日にはイラク開戦2周年集会、そして、5月3日には西山記念館で1000人規模の超党派での憲法集会が予定されています。「9プラス25中央区の会」も区内の識者を募って、3月中旬から4月初旬を目途に憲法学習会の準備を進めています。








 非核神戸方式30周年集会
 とき 3月19日(土)午後13時30分〜
 ところ 私学会館ホール
 講演 纐纈 厚 さん(山口大学人文学部教授)
            「憲法改悪・有事体制にどう立ち向かうか」
 沖縄からの訴え 宮城 保 さん(命を守る会事務局長、名護市職労委員長)
 報告・提起  「非核神戸方式」30年の役割とこれから

 イラク開戦2周年集会
 とき 3月20日(日) 午後 集会デモ
 ところ 東遊園地

 憲法集会
 とき 5月3日(火)午後2時(予定)
 ところ 西山記念館
 講師 山内徳信 (沖縄読谷村元町長)

                 

2005年2月8日
空港新産業特別委員会の視察報告
医療産業都市の危うさを痛感した旅

 1月31日から2月2日の日程で空港新産業特別委員会の視察に参加した。最初に横浜市のライフサイエンス都市と銘打った新産業施策を視察。横浜市の問題意識は企業誘致というよりも、京浜臨海産業地域の産業空洞化にどう歯止めをかけるかにある。したがって、既存産業や中小企業が新しく進出するというだけでなく、企業の新たな高度化に対しても最高50億円の助成金をだすというもの。地域限定で5年の時限立法だけれども、誘致企業で医療産業だけを優遇する神戸の施策よりははるかに進んだものだ。また、新産業施策も土地と器を提供し、産学共同化をサポートすることを基本にして、あとは民間の力にまかせるというもの。神戸の先端医療振興財団のように運営補助を一般会計から出し続けなければならないものは存在しない。支出は産学共同センターなどの建設費などだけだ。

 2日目は川崎市の新産業創造センターを視察。ここはベンチャー企業の育成拠点だ。横浜と同じく施設と産学や企業化のコーディネートの仕事を市が担い、あとは民間にまかせるというもの。実際に、ここでベンチャー企業として成功するであろう企業家から話を聞いた。この企業は高速道路などの道路表面の状況を計測する車を従来より正確にしかも安く開発することに成功して、特許も取得し製品化と販路も開拓しているということだった。もともと、この経営者は道路のたわみ計測機開発の先駆者であったが就職していた企業が事業縮小で、この事業を縮小したためこの企業をやめてベンチャー企業を設立したもの。話の中では、産学共同に対して苦言もだされた。「大学の研究室はあくまで研究であって、製品化との視点が弱い。ある教授の「100のうち1つが成功すれば」との考えを聞いてびっくりした。大学ベンチャーはなかなか成功しないのでないか」と言うものだった。神戸の医療産業都市は与党会派からも研究重視の傾向で産業化の動きが弱いとの指摘がなされているが、市民病院のリニューアルや京都大学医学部の思惑が先行している医療産業都市構想とうわさされているでけにこの話は説得力があった。研究と製品化にはかなりの乖離があるということだ。

 今回の視察で、自治体の役割とは何なのか考えさせられた。神戸の場合は、民間の活動を支援すると言うよりも市が主導して金も人も上物も準備して民間さん来て下さいと言うもの。他市は今あるものを基本に、それを新産業という流れの中に組み込んでいくためのコーディネートを基本にしている。本来の自治体の役割は後者でないのか。
 今回の視察も神戸市の危うさを感じた旅となった。
神戸市会議員あわはら富夫
メールアドレス awara@portnet.ne.jp
携帯ホームページ http://chiiki.ne.jp/awara

住所 自宅 650-0046 神戸市中央区港島中町3-2-1.62-207  電話 078-302-0861
    事務所 651-0076 神戸市中央区吾妻通1-3-4       電話 078-251-4778

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