−−闘いがすくそこまで来ていた。 闘いはいつも、さりげなく通り過ぎていく。 始まるはこんなにも長く感じるのに、それを綴った物語は目まぐるしく移り変わってしまう。 −−気がつけば友情。 不安と期待が胸にする始まりの想い。 広がる笑顔、眩い歯、さわやかな風に交わる真紅色の拳。 −−気がつけば熱血。 光り輝くまばゆい想い。 たぎる血、くっきりと映る敵の影、高く聞こえる雄叫び、はるか彼方まで燃え上がる背景の炎。 −−気がつけば愛。 紅色に染まる黄昏の想い。 鮮やかな弁当、風にそよぐ髪、怒らせた彼女の熱い怒り、素早い告白、シーツを染め上げる真っ赤な色。 −−気がつけば勇気。 互いに積みあげていく鮮紅の色。 身の引き締まる冷たい敵、後に残る友の骸、赤い息、吐く息で高まる気合い。 −−そして、また、闘いがやってきた。 −−闘い。 それは新しい出逢いの場。 この闘い、オレはどんな出逢いをするんだろう…? |